POREX
「ポーレックス」は中空円筒型のソフトセラミックスです。連続多気孔で透過性があり、大きな表面積を有することから多種多様な微生物を好気性の雰囲気下で大量に保持できます。
従来の活性汚泥法による処理に比べ多量の排水を短時間で処理でき、接触材の目詰まりが無いことや、汚泥の発生量も激減するため、イニシャルコスト及びランニングコストを低減させることができます。
ポーレックス排水処理システムは多孔質セラミックスの特色を活用した最も新しい排水処理システムです。
接触材に使用するポーラスソフトセラミックスは以下のような特徴があります。
「ポーレックス」の表面積は約80,000m2/m3であり、従来のプラスチック製ハニカム形状の接触材(表面積約200m2/m3)と比較すると格段に大きな表面積を持ちます。
連続多気孔のため透過性があり、好気性部分と通性嫌気性部分が良好な状態で分布されています。 微生物の固有な必要酸素濃度を広く分布、保持することで多種多様な微生物群を多量に固定することが出来ます。
接触材の中には嫌気性によって、大量の微生物が一時に剥離する場合がありましたが、ポーレックスにおいては微生物の世代交代が好気性の状態で円滑に行われます。 衰退期に達した微生物はセラミックから剥離しますが、微生物の種類によって繁殖速度が異なることから大量の微生物が一時に剥離することがありません。
このポーレックスを装置として組み込んだ排水処理システムは以下のような強みを発揮します。
標準的な活性汚泥法の場合のBOD負荷は0.4~0.8kg/m3/日程度で設計しますが、本装置の場合、1.2~3.5kg/m3/日が設計範囲値となります。従ってばっき槽の必要容積を小型化することが出来ます。 また同じ装置規模であれば多量の排水を短時間で処理することが可能になります。
ばっき槽内の活性汚泥濃度を高く維持でき、多種多様な微生物がポーレックスに固定化されます。微生物間で多くの食物連鎖が起こることなどから汚泥の発生量が少なく計算できます。 従来の活性汚泥法と比較すると1/4程度の汚泥発生量であり、ランニン グコストの低減に大きく寄与します。
連続多気孔で透過性があることからポーレックスは汚泥による目詰まりがありません。接触材によっては装置に逆洗工程を組み込むことが必要ですが、本装置の場合は不要であり、イニシャルコスト及びランニングコストの低減に寄与します。
流動床の場合、接触材同士が摩擦によって減耗し、毎年5%程度の接触材を補充する必要がでてきますが、本装置は固定床であり長期的な耐久性を有します。
微生物を高濃度で活性の高い状態で保持する為、BODの負荷変動やPHの変化に対しても順応性があり、処理後の排水の水質変動を小さく出来ます。 これは固定化の大きな特徴であり、始動時や休止後の運転再開時の立ち上がりの早さも大きな利点です。
ポーレックス外観
ばっき槽取付工事例 1
ばっき槽取付工事例 2
ばっき槽取付位置決め
ばっき槽運転状況
沈殿槽